加圧式(関節面圧)不随意運動回復法 2021.3.26 有本政治

2021326日に行なわれたスポーツトレーナー未来塾の講義内容に
 なります。
 

≪加圧式(関節面圧)不随意運動回復法≫

【解説】

現代では、AKA法=関節運動学的アプローチと名付けられて広く治療
技術として使用され、大きな成果をあげています。1980年代に発見開発
された技法として扱われていますが、実はこれは古代日本人が発見開発
した整骨法になります。私が治療の世界に入った頃から、「関節微振動
法」として均整術や骨法整体術の中に組み込まれていました。

 日本人の開発した治療技術は骨に特化しており、これは日本伝承医学
として解明してあります。その中の関節操法のひとつの「原理」となり
ます。関節の不随意運動の不可動方向の骨に“微振動”をかけるのが
この技法のコツになります。

 関節の不随意運動とは別名“関節のあそび運動”とも呼ばれています。
例えば、車のハンドルにあそび部分の動きがないとハンドルはスムーズ
に回すことができず、ぎくしゃくした動きになります。人体にも同じ原
理があてはまります。人体内の関節のすべては筋肉の収縮により、ある
決められた方向に動くことができます。これは自分の意志で“随意”に
動かすことが可能です。これは関節の随意運動になります。関節の不随
意運動とは、自分の意志で動かせない関節の微細な動きのことを指して
います。つまり関節に対しての前後左右のスライドの動き、回旋の動き、
圧迫・離開の動きがそれに相当します。
 

【操作法】

 痛みや違和、関節可動域の減少及び、関節の病変は関節不随意運動の
微細な動き(2mm)の消失にあります。関節の不随意の動きである前後
左右のスライド・回旋の動きを検査し、不可動の方向から動く方向への
“微振動操法”がその操作法になります。その際、関節に面圧(加圧)
かけながら、10秒位を目安に行ない不随意な動きの回復が判定になりま
す。操作後、関節の痛み、違和、可動域の確認をします。
 

≪日本伝承医学の脊椎調整法≫ 

 ポイントは頸椎・胸椎・腰椎の不随意運動にのっとった脊椎の矯正法
になります。
それに関節面圧を得るために座位にての調整が特徴になり
ます。
 

【各脊椎の不随意運動】 

頸椎・・・横へのスライドの動き

胸椎・・・前後方向へのスライドの動き

腰椎・・・回旋の動き 

頸椎、胸椎は面圧を得るために座位にて行ないます。

腰椎は側臥位からの捻転法を使用します。 

頸椎・・・首を回旋、横に屈曲させ最密位をとり、頸椎水平スライド方
     向に瞬間圧をかけ
ます。

胸椎・・・術者の膝頭を使用して胸椎に前後方向スライド圧を加えます。

腰椎・・・一番楽な体勢を作り、腰椎に捻転をかけます。
        ↓
操作はすべてグースーグッの間合いで行ないます。 

【足関節、距腿関節の不随意運動回復法(加圧しながらねんざ時の基本操法) 

〈検査〉距腿関節の前後左右のスライドの動きを検査します。

〈操法〉スライドの動きの不可動方向に、距腿関節の微振動法を約10
    位行ない、動き
の回復を目安とします。その際必ず距腿関節に
    重力方向への面圧(加圧)を加え
て操作します。

〈参考〉指関節の加圧不随意運動法
      前後左右へのスライド運動を前記通りに行ないます。 

※ねんざのときは、先に、手首をしめる操法、マスイ操法、眼圧調整法
 を行ないます。

    (各操法の詳細は日本伝承医学実技解説書参照)