病気の根本原因には生命力と免疫力の低下が存在する
これを元に戻すには骨髄機能の発現が重要となる
                           2022.12.27. 有本政治

 3年にわたる新型コロナウィルスによる感染症の流行が私たちの病気に対する
これまでの認識を変えるきっかけになったと感じています。それは病気の背景に
ある「免疫力」の問題がクローズアップされたという点です。どんなにコロナの
パンデミック(大流行)が発生してもすべての人が感染する訳ではなく、免疫力が
低下していない人は罹患しないということが改めて証明されたのです。

 免疫力の低下の問題はコロナという感染症だけに言えるのではなく、すべての
病気においてもあてはまります。それはがんの発症においても、その人の生活習
慣の乱れからくる免疫力の低下が根本にあることが認められています。 つまり
すべての病気の背景には、根本原因としてその人の生命力や免疫力の低下が明ら
かに存在しているのです。


 生命力や免疫力を以下具体的に解説してみます。

 生命力とは何かと言うと、わかりやすい例が赤ちゃんの発育の速さに象徴され
ます。旺盛な細胞分裂(細胞新生)を繰り返し、体が2倍~3倍に成長していく姿で
す。つまり生命力とは新たな細胞を生み出す力で、細胞新生力という表現に置き
換えることができます。

免疫力、「疫(病気)を免れる力」とは、人体に入ってきた悪い細菌やウィルス
毒素から体を守る力のことを指します。体内に病原菌やウィルス等が侵入すると、
体は免疫システムが働き異物から体を守ってくれます。この働きを担うのが血液
の中の白血球になります。白血球成分のリウィルス好中球が細菌やウィルスの増
殖を抑え、病気に侵されることから守ってくれるのです。これは白血球だけでは
なく、血液成分の98%を占める赤血球や血小板も体の免疫力の源になっています。
つまり免疫力とは血液力のことであり、新鮮で強い赤血球、白血球、血小板が常に
増産される力になります。一言で言えば造血力と置き換える事ができます。

つまり生命力とは「細胞新生力」であり、免疫力とは「造血力」と言うことです。
この細胞新生と造血は骨髄の中で行なわれています。骨髄の中に存在する細胞の
源となる「幹細胞」から今必要なすべての細胞が新生されていくのです。そして
血液を作る場所は当然骨髄になります。骨髄は造血(赤血球、白血球、血小板)
主体となる場所なのです。つまり低下した生命力と免疫力を高めるためには、その
大元の細胞新生と造血を担う骨髄機能を発現させることが、一番合理的で重要な
方法なのです。日本伝承医学の技法の目的が、骨髄機能の発現にあるのは以上の
理由からになります。