脳の機能を円滑に営むための脳内物質としての脳内ホル
モン、神経伝達物質(メラトニン、セロトニン)は脳内で作
られるものではなく、実は、その元となる物質は肝臓で作
られ、血液によって脳まで運ばれて、脳内ホルモン、神経
伝達物質になっていきます。肝機能低下はこれらの元とな
る物質を脳内に送り込めず脳内ホルモン、神経伝達物質の
産出を低下させることになります。
 また脳内物質(DHEA等)は肝臓で分解されます。肝機能が
低下すると、これらの元となる物質を脳内に送り込めず脳
内ホルモン、神経伝達物質の産出を低下させたり、脳内物
質を分解することができなくなります。脳内ホルモン、神
経伝達物質の不足は、不眠、ノイローゼ、心身症、うつ病、
痴ほう症状等の各種精神疾患を生み出していきます。
 このように肝臓と脳は密接なつながりをもっており、精
神疾患の改善には肝臓の充血・炎症をおさえ、肝機能を整
えることが不可欠となってくるのです。就寝時に肝臓を冷
却すると情緒が安定し、穏やかな眠りにつけるのは、この
原理によるものです。

* 胎児はへその緒で酸素を取り入れ、肝臓で造血作用を行っています。
 しかし生まれた瞬間、その造血機能は、骨の中にある骨髄に移されてい
 きます。大切なものは堅固な骨の中にしまわれていくのです。
 骨はまさに命を守るための「物質・エネルギー・情報」の貯蔵庫であり、
 そして肝臓と血液は密接な関係にあったのです。


肝臓と脳の密接な関係