日本伝承医学は、人体の骨という「核」となる場所を一元的に使用
することで、人体の電気の流れを回復させ、血液の循環、配分、質を
変えることのできる、実にシンプルな究極の医学となっています。
これに対し漢方医学では、生命活動の中心を内臓においた関係上、
核となる数が非常に多くなっています。12種類存在し、12のエネルギ
ーのルートを規定することになったのです。漢方医学の生命観は、こ
の12のエネルギーのルート(経絡)を「気・血」がよどみなく流れるこ
とで生命を営んでいると考えています。この12の経絡上に、「気」の
出入りする「穴」つまり経穴を365穴発見しています。
六臓六腑に対応した十二経絡のどの経絡に「気血」の過不足がある
かを診断して、気の不足している経絡には「気」を補い、邪気のたま
っている経絡には「気」をしゃす技法用いて(鍼、灸、漢方薬等)、気
・血のよどみない流れを回復させることで病気治しを行っています。
気(電気)・血の調和をはかるというとらえ方は、日本伝承医学と共通
であり、どちらも真実になりますが、その方法論はまったく異なった
ものとなっています。
漢方医学は生命、人体に核(芯)をもたなかったがために複雑化して
いったのに対し、日本伝承医学では、核(芯)を骨にはっきりと認識し
得たため、技術が極めてシンプルに構築されました。12経絡を調整し
ていく、鍼や灸を用いなくても、三指半操法、リモコン操法、心臓調
整法という、たったこの3つの技法ですべての気の通り(電気の流れ)
を改善し、健康を維持していくことができたのです。骨に核を見い出
した日本人が古来より伝承してきたこの技術は、まさに家庭療法とし
て家庭の医学となり得るものであります。先人達の残してくれたこれ
らの貴重な知恵と遺産を日々の健康法として、実生活の中でぜひ活か
していっていただきたいと思います。
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