風邪は万病を治す

風邪に効用があることは、まだあまり知られていないのが
現状です。私の三十年の臨床生活の中で、慢性病や重篤な
病の人は治療後、治癒反応の第一歩としてほとんどの場合、
発熱(風邪症状)を引き起こしています。早い人では一回の
治療だけで、風邪をひいてしまうことがあります。

  日本伝承医学の治療は、免疫機構の総本山である骨髄の
機能を発現させる治療法であるため、このような治癒反応
が瞬時におこる可能性があります。私の治療院では、初診
の患者さんに対しては治癒反応として、風邪(発熱)をひく
ことがあるということを必
ず注意事項として明記しています。
その際の処置として解熱剤で
熱を下げない点を強調するよ
うにしています。風邪による全身的発熱は、全細胞に活力
を与え、体力、免疫力を高める第一歩となるからです。

元々高熱を出すタイプの人は、身体を元に戻す力の高い人
になります。虚弱なタイプの人は、38度5分以上の熱を
出す力がない人で、風邪をひいても微熱しか出せません。
こういう虚弱タイプの人が、治療後に高熱を出せるように
なったということは、体力、免疫力が高まってきた証拠と
なります。風邪をひく力があるうちは、重篤な病に進行す
ることはまずありません。

 

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