(1)現代人の錯覚
 現代人は一昔前と比較すると目の疾患が大幅に増加して
います。目の酷使が原因のひとつとしてあげられますが本
質的要因は、肝臓の充血、熱の発生による肝機能の低下と
脳の虚血状態にあります。目の疾患の中でも白内障の増加
は著しく、手術は15分程度で行われ入院の必要すらない簡
単なものという認識が定着しつつあります。人体において、
目は目のみ単品として把握され、機械同様部品を交換する
かのごとく、局所治療に終止しているのが現状です。
白内障がどうして発生していくのかという根拠も機序も解
明されず、それを知ろうともせず、部品交換で一時的に目
がみえるようになればそれで治ったという安易な発想と錯
覚があることに誰も気づいていないのが現状です。確かに
見えづらくて不自由な思いをしていたものが簡単な手術に
よって、はっきりと見えるようになることは大きな喜びで
あり、一概に否定できないところはありますが、これは一
時的なもので、生命にとってマイナス要因として、その後
大きく働いていきます。

白内障をとらえ直す

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