骨の成分をもう一度考えてみましょう。
99%がカルシウムであり、あとはリンが主成分です。リンはDNAの構成
成分でもあるし、エネルギー代謝のもとであるATP(アデノシン三リン酸)に
もなくてはならない物質です。
遺伝子に関わり、人体のエネルギー代謝のもとになる物質とこれまで詳
述してありますカルシウムが貯蔵されている骨の存在を忘れているので
す。骨こそ生命活動の中心たる物質が集積している場所なのです。
すなわち遺伝子の複製、遺伝子の機能発現、エネルギー代謝、すべての
細胞の死生を決定し、心臓、肝臓、腎臓等すべての内臓、脳、筋肉、神
経伝達、受精にいたるまでリンとカルシウムがなければ生命維持は達成
できないのです。さまざまな生理機能の要となる物質の生きた貯蔵庫な
のです。
 さらに骨髄の中に存在する造血幹細胞は、他の細胞が死滅してもこの
一種類の細胞があれば、すべての細胞の母体として、赤血球、白血球、
血小板を作り出し、遺伝子の母体となるものです。
 赤血球は酸素を運ぶヘモグロビンを含んで全身を滋養し、白血球はリン
パ球やマクロファージの母体として、免疫作用の主役であります。
これらの作用はすべて“骨”が担っているのです。


 骨本体の存在を忘れ去ったところに、現代医療の混迷があるのです。
血中のカルシウム濃度を調節するには“骨”そのものの機能を高めなく
ては達成できないのです。カルシウムを多く含む食品を多食したり、カル
シウム剤を多用しても、本来の目的を達成されないばかりか、ますます、
バランスをくずしてしまっているのが現状です。
 空気や重力と同じように身近すぎて見えなくしてしまった、いや現代人の
洗脳されたのごとくの人間脳が“骨”の存在を闇に葬ってしまったのです。
 日本の古代人は、骨のもつ多様な機能を見事に気づいていました。
そして、世界に例をみない日本伝承医学の技術を築いていたのです。
すなわち、骨に電気を発生させることが骨の機能を発現させる唯一の手
法であったのです。その発生の電気はまさに微量で十分であり、この微
妙なさじ加減が技術の深さとなるのです。
 骨がヨロコブ刺激が、その人の必要な電気量であり、「丁度よいのが
丁度良い。いい加減は、いい加減」がコツとなるのです。


                             
                                     

目次へもどる