日本伝承医学とは

序論

 病気や体に起こる様々な症状は、体内にこもった余計な熱と、血
液の配分・循環・質の乱れから生じてきます。痛みや不調な所には、
必ず内部に熱をもち炎症を起こしています。頭痛のとき、額を冷や
すと気持ち良く感じるのは、頭部に熱がこもっているからなのです。
 また心労や悩み、不安があると、肝臓は瞬時に充血してしまいま
す。血液が肝臓に集まるため、全身の血液の配分、循環が大きく乱
され、体に血液不足の箇所が発生します。血液は命の源であり、血
液が不足した所は徐々に機能低下していきます。病は気からといわ
れるように、心労やストレスが続いたときに、私たちの体は、血の
めぐりが悪くなり、体調を崩していくのです。

 日本伝承医学の治療は、三指半操法、リモコン操法、心臓調整法
ゆり・ふり・たたき操法によって骨にひびかせ、骨伝導を介して体
全体の生理機能を高めていきます。かかとを落としたり、骨に圧を
加えたり、ふったりたたいたりすることによって、骨に与えられた
ひびきが、骨の中の骨髄機能におよび、全細胞の母体である骨髄幹
細胞(造血幹細胞)にスイッチを入れてくれます。骨には圧が加わる
と電気を発生させる性質があり、その電気エネルギーとなり、骨
髄幹細胞を発現させていくのです。
 生命力、免疫力の主体は骨髄にあり、骨髄幹細胞が発現されるこ
とにより造血力が高まり、細胞を新生、復元させることができます。
細胞の新生は、弱った生命力をよみがえらせ、免疫力を高め、体を
回復へ向かわせてくれます。
  
 日本人は古来より骨を大切にする民族として知られていました。
骨の中にある骨髄が、生命を維持していく上で重要な役割を果たし
ていることを知っていたのです。この古代日本人の叡智が綿々と受
け継がれ、この地に伝承され続けてきた医学が、日本伝承医学にな
ります。

 病院や薬のなかった時代に私たち日本人は、骨に心地よいひびき
を与えることによって、骨髄機能を高める手技療法の数々を生み出
し、自分の体を自分たちで守っていたのです。しかし現代人はいつ
しか、病気は、病院や薬が治してくれるものという概念をもって、
生きるようになってしまいました。
 私たちの体は最後まで、命を守り抜くように働いてくれます。
病気やおもてに出てくる症状を、ただ一方的に悪いものとして封じ
込めるのではなく、その原因に目を向け、体の内部から、根底から
改善していく必要があります。
みずからの体はみずからが守るという意識を持って、病気や症状と
向き合い、共存していくことが大切です。