治療後の反応と経過

 

日本伝承医学の治療は、骨にひびきを与え、骨伝導を使用し、
骨髄に直接働きかけることができるため、一回の治療でも身体機
能に大きな変化を生起させます。体を元に戻す対応が高まるため、
治癒反応として体内にこもった熱や毒素を排出する以下の様な反応
が起こる場合があります。

 この反応として治療後に熱が出たり、下痢や嘔吐、扁桃腺(へんとうせん)
や歯ぐきのはれ、耳下腺炎、口内炎、舌炎等を引き起こす場合があります。
一時的に痛みがひどくなったり、湿疹や皮膚炎等の症状が出る場合もあります。

 女性の場合は生理時以外でも出血することがあります。子宮筋腫
のかたは、治療後に多量の出血や血のかたまりが出ることもありますが、
あわてずに、体が内部の熱と共に不要なものを排出している必要な対応
と考えてください。入院中や通院中のかたは、治療を受けたあとに検査の
数値が変動していきます。症状が重篤なほど反応は顕著に出ます。

 白血病、骨髄異形性症候群、血小板減少症等の血液の病気の場合は、
白血球、赤血球、血小板の数値に変動がみられます。がんの場合は
一時的に炎症反応の数値が上がる場合があります。また腎臓疾患、
糖尿病、肝臓疾患の場合も、検査の数値が変わっていきます。

これらの症状は治療によって停滞していた部位の血流が良くなり、
体が活動しはじめたために起こる治癒反応になります。体内にこもって
いた余計な熱を体外にすてるために、体が一時的に起こしている反応で、
回復に向かうために通らなければならない必要過程となりますので、
薬で封じ込める手段をできるだけとらないように心がけてください。
薬には症状を抑える働きがあるため、一時治ったかのように思われますが、
体は熱の排出先を失ってしまい、症状はだんだんとより内部へ進行して
しまいます。

 たとえば高熱が出たとき、これを解熱剤で一気に下げてしまうと、体は
血液や細胞内に排出できなかった熱をこもらせていきます。解熱剤の常用
から、急性白血病等の血液の病気をひき起こしてしまうこともあります。
熱が出た場合は、氷で後頭部、(ひたい)、首すじ等を冷やして熱を通過
させるようにしてください。体を休め静養して、しっかり冷却すれば34日間
で熱は自然に下がります。
 また、血圧が高いからといって、血圧を下げる降圧剤を長期にわたり服用し
続けると、体は自分の力で血液を潤滑に流すことができなくなります。
血液の循環が悪くなると、脳内の血管は狭まっていきます。血管をせまく細く
することによって血液を速く流そうとするからです。
血圧とは血液を流す力であり、脳内の循環を守るために、必要があって高く
しているのです。血圧が高くなったら、まずらくな姿勢をとり、ゆっくりと深呼吸
して、頭部と肝臓の冷却を行なってください。
 肝臓は血液の循環、配分をつかさどっている大切な臓器です。肝臓の充血
がとれれば、全身の血液の循環が良くなり、配分も修復され、血圧は自然に
下がっていきます。血液を流す力(血圧)を上げなくてもよくなるからです。
 病気とは炎症であり、熱の発生から始まります。熱を封じ込めるのでは
なく、出してあげることが大事なのです。 
体に生じる様々な症状はみな、
元に戻ろうとするための対応の姿であり、ここから安定に向かっていきますので、
あわてずに経過をみるようにしてください。